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2025.12.16 人事・労務・法対応

従業員エンゲージメント指数とは?中小企業が取り組める改善策を解説

従業員エンゲージメント指数とは?中小企業が取り組める改善策を解説

近年、働き方の多様化や人的資本経営の推進を背景に、従業員エンゲージメントに注目が集まっています。中でも、従業員が会社にどれだけ愛着や貢献意欲を持っているのかを可視化した「従業員エンゲージメント指数」は、企業の成長力を測る指標として活用が進んでいます。
本記事では、従業員エンゲージメント指数とは何か、注目されている背景とあわせて解説します。
中小企業が簡単に取り組む方法も紹介するため、エンゲージメントを高める職場環境づくりのヒントにしてください。

従業員エンゲージメント指数とは

従業員エンゲージメント指数とは、従業員が自社に対してどれだけ主体的に関わり、貢献したいと思っているのかを数値化した指標です。

・この会社のために働き、成果を出したい
・仕事の目的や意味を感じられている
・チームや上司に信頼感がある
・自身の成長が実感できる
・会社を周囲にすすめたいと思える


このような観点が含まれており、従業員の働きがいや行動意欲を表します。

日本企業の従業員エンゲージメントの現状

米国の調査会社ギャラップが毎年調査し、公表している「グローバル職場環境調査」によると、日本企業の従業員エンゲージメントは先進国の中でも極めて低い水準にあります。

2024年度の調査では、「エンゲージしている」と回答した人の割合(エンゲージメントスコア)がわずか6%でした。
調査した145か国の中でもっとも低いため、「日本は熱意溢れる従業員が少ない」といわれることもあります。

とはいえ、同調査では日本人の保守的な傾向も観測されています。
たとえば、新しい働き方に適応する準備ができている従業員は45%(グローバル平均:77%)であり、会社の将来に対して楽観的に捉える割合は33%(グローバル平均:60%)でした。「将来への期待」や「変化への適応度合い」が低いのは、保守的な価値観やリスク回避志向が強い日本人ならではの特性といえます。
よって、一概に日本人は熱量が少ない=やる気がない、といえるものではありません。

日本企業において従業員エンゲージメントを高める施策に取り組む際は、「日本人は変化にストレスを感じやすい」「もともと楽観的な人が少ない」という点も念頭に置く必要があるでしょう。

従業員満足度(ES)との違い

従業員エンゲージメント指数と似た指標に従業員満足度(Employee Satisfaction:ES)があります。
従業員満足度は「会社にどれだけ満足しているか」という感情面を問う一方で、従業員エンゲージメント指数は「会社のためにどれだけ力を発揮したいか」という行動意欲を測るものです。

・従業員満足度=会社への満足度(感情)を問う
・従業員エンゲージメント指数=会社に貢献したいという行動意欲を問う


従業員満足度が高くても、従業員自身が「ワーク・ライフ・バランスも取れて働きやすいが、現状維持で良い」と感じている場合、生産性向上にはつながらないこともあります。
一方で、エンゲージメントが高い従業員は仕事に主体的で、業務効率改善の提案や新規企画への積極的な取り組みなどが期待できます。

従業員満足度は重要ですが、企業が持続的に成長していくためには、「満足」とあわせて「貢献意欲」も高めなければなりません。

従業員エンゲージメント指数が注目される背景

そもそも、なぜ従業員エンゲージメント指数が注目されているのでしょうか。その背景には、社会や組織の構造変化があります。

● 人材獲得競争の激化(採用難)
少子高齢化によって働き手が不足。新卒をはじめ全体的に売り手市場で優秀な人材の確保が困難になっている

● 働き方改革・価値観の変化
終身雇用・年功序列の崩壊とワーク・ライフ・バランス志向の普及により、「会社への忠誠心」から「仕事へのやりがい」を重視する流れになっている

●経営指標としての認知向上
米国企業では以前からエンゲージメントが重視されており、ESG投資が重視される中で人的資本経営が注目されている。また、2023年の人的資本開示義務化により、経営指標として可視化が加速

日本は特に少子高齢化の進展が深刻で、今後も人材獲得競争は激化すると予想されます。
社会全体の変化に適応するためにも、組織において従業員エンゲージメントをいかに高めるかは今後重要な経営課題となっていくでしょう。

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従業員エンゲージメント指数の測定方法

従業員エンゲージメント指数の測定方法はアンケート調査が一般的です。
簡単にいえば、「会社に対してどれくらい貢献したいと思っているか」といった質問項目をいくつか用意し、5段階や7段階などのスケールで回答してもらう方法です。

【よくある質問例】
・この会社を友人・知人にすすめたいと思うか?
・今後もこの会社で働き続けたいと思うか?
・会社のビジョンを理解し、共感しているか?
・仕事にやりがいを感じているか?


上記に対する回答結果を点数化し、平均値や特定の回答(例: もっとも肯定的な回答)の割合などを計算して、エンゲージメントのスコアや指数として算出します。算出されたスコアをもとに、組織全体や部署単位で強みや課題を分析するのが一般的な流れです。

測定して終わりではなく、結果を分析したうえで具体的な改善策を立てて実行し、再度測定して効果を検証することが重要です。一度きりではなく、持続的な取り組みとしてエンゲージメントを追求していきましょう。

中小企業がエンゲージメント指数を高めるためにできる取り組み

ここからは、中小企業でも今日から取り組める改善策を具体的に紹介します。
大きな予算や制度の変更がなくても実施できる施策を中心にまとめました。

会社のビジョンや評価、期待値を「わかりやすくする」

中小企業の現場でよくある課題が、「会社のビジョンが見えない」「評価基準があいまい」といった不透明さです。この状態では従業員は努力の方向性がつかめず、エンゲージメント低下につながりかねません。以下の取り組みを通じて、努力の方向性を示しましょう。

・経営層が具体的な言葉で会社の存在意義や目指す姿を定期的に発信する
・会社の戦略や部門目標を、従業員が理解できる形で共有する
・評価基準や目標達成基準を簡潔かつ明確に言語化する
・月1回の1on1で期待値をすり合わせる


こうした小さな工夫でも、従業員は自分の成長や貢献が会社にどう役立つかを理解しやすくなるでしょう。

小さな「成長実感」を積み重ねる

常に成長機会を与え、従業員が自ら成長できたと実感できるようにしましょう。

・社内ミニ勉強会の開催
・スキル共有会やロールプレイングの実施


「学びがある会社」「成長できる会社」という実感は、エンゲージメント指数の向上に大きく寄与します。

コミュニケーションの質を高める

中小企業は互いの距離が近いため、日々のコミュニケーション次第でエンゲージメントは大きく変わります。

・経営者メッセージの定期発信
・異なる部署間での意見交換会の実施
・メンバー間での成功事例を毎日共有
・気軽に相談できる雰囲気づくり


一つ一つは些細な取り組みですが、積み重なることで組織全体の雰囲気が変わります。気軽に仕事のためのコミュニケーションを取れる職場という雰囲気を醸成し、組織に一体感が生まれれば、自分はこの会社に貢献したいという意欲が自然と高まるでしょう。

心理的安全性を支える“制度的な安心感”を整える

エンゲージメント指数を高めるためには、従業員が安心して働ける制度を整えることも欠かせません。

・ハラスメント相談窓口の設置
・リモートワークや時差出勤制度など柔軟な働き方制度
・健康管理への投資


とくに中小企業の場合、病気やケガによる長期休業が起きると従業員と会社の双方に大きな影響が及びます。
不安が大きいほどエンゲージメントは低下するため、長期の就業不能状態を補償する団体保険GLTDなどを導入し、福利厚生を整えておくとよいでしょう。

まとめ

エンゲージメント指数は、従業員の能動的な貢献意欲を可視化する重要な指標です。中小企業でも、次のような工夫で指数向上に取り組むことができます。

・評価基準の明確化
・成長機会の提供
・コミュニケーションの質を改善
・制度的な安心感の整備

こうした日々の工夫の積み重ねが、エンゲージメント指数を高め、従業員が安心して力を発揮できる職場づくりにつながります。

GLTD(団体長期障害所得補償保険)は、病気やケガで長期間働けなくなった際に収入を補償する制度です。従業員が安心して働ける職場づくりに貢献し、福利厚生として企業の信頼性を高める効果も期待できます。エンゲージメント向上のための土台として、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
著・監修:服部ゆい

金融代理店での勤務経験と自身の投資経験を活かしたマネーコラムを多数執筆中。
子育て中のママFPでもあり、子育て世帯向けの資産形成、ライフプラン記事の執筆が得意。
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