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2025.8.5 人事・労務

ジェンダーギャップは企業リスク?採用・レピュテーション・法的リスクから考える対策とメリット

ジェンダーギャップは企業リスク?採用・レピュテーション・法的リスクから考える対策とメリット
近年、社会全体でジェンダー平等の重要性が広く認識されるようになりました。
他方で、ジェンダーギャップを「最近の流行」や「一時的な男女平等論」として矮小化する傾向も少なからず存在します。しかし、ジェンダーギャップは一時的な社会課題ではなく、企業の採用力や価値向上に直結するリスク要因です。
本記事では、ジェンダーギャップが企業にもたらすリスクを明らかにしながら、ギャップ解消のメリットや中小企業で実践可能な取り組みをご紹介します。

ジェンダーギャップとは

ジェンダーギャップとは、性別によって生じる社会的・文化的な格差を指します。ここで言う「ジェンダー」とは、生物学的な性別ではなく、社会的・文化的に形成された性別の役割や期待を意味します。
「男性だから仕事を優先すべきだ」「女性だから家事や育児を担うべきだ」といった無意識の思い込みが生み出す、機会の不均等や待遇の差こそがジェンダーギャップです。

このギャップは経済、政治、教育、健康などあらゆる分野に存在し、近年になってようやくその問題が顕在化してきました。国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」でも、目標5に「ジェンダー平等の実現」が掲げられています。日本でも女性の社会進出が一般化する中で、多くの企業でジェンダー平等が求められています。

日本のジェンダーギャップ指数はG7諸国で最下位

残念ながら、日本は世界的に見てジェンダーギャップが大きい国だと評価されています。

世界経済フォーラムの2025年度報告書※によると、日本のジェンダーギャップ指数の総合順位は148か国中118位でした。前年からわずかに上昇したものの、結果としては昨年と同順位で、G7諸国では依然として最下位です。
※世界経済フォーラム「グローバル・ジェンダーギャップ指数2025」

この低順位の背景には、下記のような要因が考えられます。
政治分野:国会や地方議会における女性議員・女性閣僚が極めて少ない。女性の国家元首はいまだゼロ
経済分野:男女間の賃金格差があり、女性が非正規雇用に就く割合が高い
社会意識:「男は仕事、女は家庭」という固定観念が根強くある
教育分野:「理系は男性、文系は女性」というステレオタイプがあり、実際に理系学部全体で女性の割合は低い

こうした制度的・文化的背景がジェンダーギャップの解消を阻む要因となっているのです。当然ながら、企業活動にも大きな影響を与えています。

企業におけるジェンダーギャップ事例

たとえば、企業内では下記のようなジェンダーギャップ事例が見受けられます。

賃金格差:同一労働にもかかわらず、女性の給与が男性より低い
採用・配置の偏り:男性は総合職、女性は一般職といった採用枠の偏り
管理職の割合:上位役職になるほど女性の管理職比率が低下する
育児休暇の偏り:男性の育児休暇取得率が低い
ジェンダーバイアス:「女性は妊娠・出産で長期離脱するため重要な業務を任せられない」など、無意識の偏見・価値観の押しつけ

こうしたジェンダーギャップは、従業員のモチベーション低下や採用への悪影響につながりかねません。まずは自社の状況を振り返り、業務や役職の偏りが生じていないか、無意識の偏見が浸透していないかを確認することが重要です。

ジェンダーギャップが企業にもたらすリスク

「うちの会社は昔からこの体制だから」「中小企業だから仕方がない」といった意識でジェンダーギャップを放置していると、下記のような企業リスクに直面する可能性があります。

採用・人材流出リスク

多様性やジェンダー平等を重視する若年層にとって、ジェンダーギャップが大きい企業は魅力を感じにくくなります。
結果として、優秀な若手人材の確保や定着が難化します。

レピュテーションリスク

昨今は、経営層の不用意な発言や企業制度の偏りがSNSで炎上する事例が増えています。
ジェンダーに関する不適切な言動は社会的批判を招きやすく、企業イメージや消費者からの信頼低下につながりかねません。

法的リスク

男女雇用機会均等法や育児・介護休業法などの関連法規に違反すると、厚生労働省からの是正指導や企業名の公表、過料などの行政処分を受ける可能性があります。

市場からの評価低下リスク

企業価値が損なわれることで、投資家や株式市場からの評価も低下します。
ジェンダー平等を軽視する企業は、ESG投資の対象から外される可能性が高く、株価の下落や資金調達の難化にもつながりかねません。

ジェンダーギャップ解消で得られる効果

企業がジェンダーギャップの解消に取り組むことで、下記のようにポジティブな効果が期待できます。

優秀な人材の獲得・定着

ジェンダー平等を推進する企業は求職者から好印象を持たれやすく、応募者数の増加や質向上につながります。
働きやすい職場環境の整備により、従業員の定着率向上も期待できるでしょう。

組織パフォーマンスの向上

多様な視点を持つ人材が集まることで、イノベーションが生まれやすくなります。
年齢や性別を問わない多様な従業員がいることで、顧客ニーズへの理解も深まり、ビジネス競争力の向上にも寄与します。

企業価値の向上

ジェンダー平等に取り組む姿勢は、CSRやSDGsに積極的な企業というブランドイメージを醸成します。
ESG投資を重視する投資家からの評価も高まり、資金調達やパートナーシップの面でも有利に働くでしょう。

リスクマネジメント

ハラスメントや炎上などのリスクを未然に防ぐ体制を整えることで、企業としての信用を守りやすくなります。
一度でも「ハラスメント体質のある企業」というレッテルが貼られると、優秀な人材の確保が著しく困難になるため、リスク管理の観点からも重要です。

中小企業で実践できる!ジェンダーギャップ解消の取り組み

中小企業だからといって、ジェンダーギャップの解消は十分に実現可能です。
むしろ、組織が小規模であるため意思決定のスピードが早く、柔軟な制度設計がしやすいという利点もあります。

ここでは中小企業こそ実践しやすい、具体的な取り組み例を紹介します。

社内文化と意識の改革

まずは、全従業員を対象としたジェンダーバイアス研修を実施します。自身が持つ「無意識の偏見や先入観」に気付き、行動変容を促すことが重要です。
加えて、経営者が自ら「性別に関係なくキャリアを築ける職場」であると積極的に発信することも、組織全体の意識改革につながります。

採用枠や人員配置の見直し

性別に偏りが出ている職種や部署がないかを確認し、必要に応じて採用基準や配置方針を見直します。
応募書類から顔写真や性別欄を削除するなど、属性に左右されない公平な選考を行うことで、多様な人材の確保がしやすくなります。

性差にとらわれない柔軟な働き方を推進

男性の育児休業取得を促進するとともに、リモートワークや時短勤務制度の導入によって、家庭と仕事との両立を支援します。
また、女性のリーダーシップ育成や管理職登用にも積極的に取り組みましょう。社内に多様なロールモデルを作ることで、若手社員の将来像を描きやすくします。

まとめ

ジェンダーギャップは一過性の社会課題ではなく、採用力や企業価値、そして事業の持続性に直結する経営リスクです。
一方で、いち早く解消に向けた取り組みを進めれば、企業ブランドの向上や組織力の強化、人材定着の改善など、多くのメリットを得ることができます。

少子高齢化と市場の縮小が進む中、競争力ある企業であり続けるためには、性別にとらわれない職場づくりが不可欠です。できるところから取り組みを始め、企業の未来を少しずつ変えていきましょう。

「従業員を大切にする企業」「福利厚生が充実した企業」というアピールをする場合は、GLTD(団体長期障害所得補償保険)の導入という方法もあります。中小企業でできる対策を考えている人は、あわせて検討してみてください。

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服部椿
著・監修

服部ゆい
金融代理店での勤務経験と自身の投資経験を活かしたマネーコラムを多数執筆中。
子育て中のママFPでもあり、子育て世帯向けの資産形成、ライフプラン記事の執筆が得意。


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