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2024.9.13

人的資本経営は人材不足を解消する?中小企業流の取り組み方を解説



人的資本経営とは、人材をリソースではなく、企業の重要な資本と捉える経営手法です。企業を支える人材に投資し、個々のパフォーマンスを最大化することで、企業全体の成長を目指します。
近年は大企業を中心に人的資本経営が注目されていますが、実は中小企業こそ人的資本経営に取り組む意義があるのです。
本記事では人的資本経営のメリットや具体的な事例、中小企業が取り組む際のポイントを紹介します。

中小企業こそ人的資本経営に取り組むべき理由

2023年1月31日、「企業内容等の開示に関する内閣府令等の一部を改正する内閣府令」が交付され、2023年3月期決算から特定の大手企業で“人的資本に関する情報開示”が求められるようになりました※。具体的には、有価証券報告書において人材育成の内容や人材の離職率・定着率、従業員エンゲージメントの状況などの情報開示が求められます。
出所:金融庁「企業内容等の開示に関する内閣府令」等の改正案に対するパブリックコメントの結果等について」

有価証券報告書の提出義務がない中小企業においては、こうした情報開示の必要はありません。しかし、人的資本経営は中小企業にこそ意義がある経営手法です。
人的資本経営で従業員一人ひとりのパフォーマンスが高くなれば、これまでと同じ従業員数で企業価値を向上できます。人材不足に悩む中小企業だからこそ、限られた人数で成果を上げる人的資本経営は、企業成長の大きなチャンスになるのではないでしょうか。

人的資本経営が中小企業にもたらす3つのメリット

中小企業が人的資本経営に取り組むことで、主に以下3つのメリットが期待できます。

1. 人材の定着率が向上する

人的資本経営の基本は、従業員一人ひとりを大切に扱い、成長を支援し、働きがいのある職場環境を構築することにあります。
その結果、従業員が「自分は組織の一員として大切にされている」「自分はこの会社にとって不可欠な存在だ」と感じるようになれば、従業員エンゲージメントはより強固になります。これによって帰属意識が生まれ、人材の定着率も向上するでしょう。

2. 生産性が向上する

従業員の資格取得やスキルアップを支援して一人ひとりのパフォーマンスが高くなれば、生産性が向上します。業務の効率化が進み、より多くの成果やイノベーションを生み出すことが可能になるでしょう。
限られた従業員数でも、競争力の強化や持続的な成長が期待
できます。

3. 企業イメージが向上する

人的資本経営に取り組んでいけば、「従業員を大切にする会社」としての評判が高まり、人材を採用しやすくなります。また、社会的責任を果たす企業としてのイメージ向上にも寄与します。
定着率と生産性、企業イメージという3つの指標が向上すれば、優秀な人材を長期的に育成・確保できるようになります。事業の継続性も高まるため、人的資本経営は少数精鋭で事業を成長させたい中小企業にこそ適している
のです。

中小企業における人的資本経営取り組み事例

ここでは、東京都中小企業振興公社のサイトより、実際に人的資本経営に取り組んでいる中小企業の事例を紹介します。
引用:公益財団法人東京都中小企業振興公社「中小企業人的資本経営支援事業 事例紹介」

1.専用の社内相談窓口を設置し、社員満足度と業績が向上

総合建設会社として、新築工事やリニューアル工事、公共土木など幅広い事業を展開している株式会社A様(従業員数236名)の事例です。

【課題】
同社の事業は社会貢献に直結します。一方で、責任の重さゆえに精神的な負担を感じる従業員や、上司とのコミュニケーションに悩む若手従業員がいるなど、さまざまな課題がありました。

【取り組み事例】
外部の専門家と連携し、ヒューマンリソースセンター(HRC)という社内相談窓口を設置。健康や育児、介護、ファイナンシャルプランなど、さまざまな相談にワンストップで対応できるようにしました。その結果、従業員の不安やストレス軽減につながり、社員満足度と業績が向上しました。

2.採用やコミュニケーション方法の見直しで、若手の採用・定着率が改善

航空・宇宙・自動車・防衛・医療・エネルギーなど、幅広い分野の金属加工を行うB株式会社(従業員数130名)の事例です。

【課題】
同社では一時、20代の社員がたった一人になり、会社の未来を担う若手がいない状況でした。

【取り組み事例】
新卒採用の方法を見直し、マッチング採用を実施。また、内定後は「世話役制度」を取り、新人に一番年齢が近い先輩が面倒を見る方法を取るようにしました。
これにより、内定者は仕事が始まる前に不安を払拭でき、若手先輩社員は新しいやりがいを見つけられるようになります。採用の段階から自然なコミュニケーションを取ることで、若手の採用と定着率が劇的に改善しました。

3.社員教育とコミュニケーション方法の改善で、社員エンゲージメントが向上

オフィスアイテムの通信販売など、オフィス業務のサポートを行う株式会社C様(従業員数31名)の事例です。
【課題】
以前の同社は利益第一主義で、従業員同士のコミュニケーションはほとんどない状況でした。2010年頃には会社を辞める従業員が後を絶たず、一時は離職率80%にまで陥りました。

【取り組み事例】
社長自ら経営を学び直し、社員教育やコミュニケーション方法を大きく改善。社員教育では仲間の中小企業と協力し、社員が会社の垣根を越えて幅広い業務を学べる「越境学習」を実践しています。また、コミュニケーションの時間を確保するため、社員との1on1面談も実施。会社全体で話しやすい雰囲気が生まれ、社員のエンゲージメントも向上しました。

中小企業が人的資本経営を始める際のポイント

人的資本(人材)への投資と聞くと、「当社には資金的な余裕がないし……」「そもそも企業規模が小さいから難しい」と思うかもしれません。
しかし、人的資本経営に欠かせないのは「人材は組織にとって重要な資産」とする姿勢です。
資金力や組織の規模が必要なわけではありません。
ここでは、中小企業が人的資本経営を始める際のポイントを3つ紹介します。

1. 従業員とのコミュニケーションを密にする

まずは従業員と向き合う時間を作り、彼らの声に耳を傾けましょう。
社内SNSや意見箱の導入、アンケートや定例ミーティングの実施など、従業員が気軽に意見を発信・共有できる環境を整えてみてください。コミュニケーションが活発になれば、職場の雰囲気は一気に変わります。会社のビジョンやミッションもより浸透しやすくなるでしょう。

2. 従業員がやりたいことを応援する

意欲がある従業員には、率先して彼らがやりたいことをできる環境を整えましょう。
資格取得支援制度の導入や外部研修への参加奨励のほか、違う部門の業務にチャレンジできる社内制度も効果的です。モチベーションが向上し、組織全体の活力も増します。

3. 働きやすい環境を整える

一方で、組織にいるのは成長意欲が高い従業員ばかりではありません。育児や介護などの事情を抱え、「成長よりも働きやすさ」を重視する従業員もいるはずです。
そこでリモートワークやフレックスタイム制、短時間勤務制など、柔軟に働ける仕組みを導入すれば、従業員の多様なニーズに対応できます。一度退職した従業員が復職しやすいよう、出戻り制度を作るという方法もあります。

まとめ

人材不足に悩む中小企業こそ、企業の持続的な成長と競争力の強化を期待できる人的資本経営に取り組む意義があります。人的資本への投資に特別なノウハウや資金は必要ありません。必要なことは、人材を大切に扱う姿勢です。

まずは、従業員とのコミュニケーションを見直してみてください。
そのうえで成長意欲が高い従業員にはスキルアップや資格取得を支援し、家庭の事情がある従業員には働きやすい仕組みを導入しましょう。多様な人材の声に耳を傾け、それぞれにとって快適な職場環境を作ることこそ、人的資本経営の第一歩です。
なお、人材不足対策には、低コストで導入できる福利厚生の法人保険「GLTD」の導入もご検討ください。
無料のストレスチェックサービスが付帯されており、人事・労務トラブルなどの情報提供や個別相談、セミナー等の実施も行っています。(※保険会社により付帯サービスの内容は異なります)

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服部椿
著・監修

服部ゆい
金融代理店での勤務経験と自身の投資経験を活かしたマネーコラムを多数執筆中。
子育て中のママFPでもあり、子育て世帯向けの資産形成、ライフプラン記事の執筆が得意。


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